- 河辺商会とは
【方針共有会 vol.2】強みを見つける
はじめに
河辺商会では、毎年1度、期の終わりに方針発表会を開催しています。
そこで、自社の現在地や向かっていく先を確認し、1年間の目標に落とし込んでいくということが目的です。
前回に引き続き、この「方針共有会」という企画では、全66ページからなる方針発表資料から1ページを抜粋し、その内容について4〜5名のメンバーで議論を行なっていきます。
記念すべき第二回は、「強み」についてです。
河辺商会の強み
方針発表資料の中で、「強み」については6ページに記載があります。
「積み重ねてきた技術 × 新しいものとの融合 × 挑戦の許される環境」
これが私たちの強みです。
ひとつずつ、簡単に解説していきます。
積み重ねてきた技術
河辺商会は今年で65期目を迎えます。
65年間「プラスチック成形」を追求してきた中で、塗装レス成形、多色成形、薄肉成形など、様々な技術を磨いてきました。
(技術や実績の詳細は、「河辺挑戦史」という企画の中でもお伝えしています)
その、長年積み重ねてきた技術と実績は、真似できるところの少ない確かな強みであると定義しています。
新しいものとの融合
製造業全体が転換期を迎えている中で、既存の技術だけでこの局面を打開することは難しいと感じています。
必要とされるのは、「既存技術と新たな発想・技術を組み合わせること」。
具体的な取り組みの面で言えば、2017年より新卒採用のプロジェクトを立ち上げ、現在も隔年で新たな人財の採用を行なっています。
また、目の前の受注案件だけにひたすら取り組んできたこれまでより少しだけ視座を上げ、外部のデザイン会社さんやPR会社さん、また同業で自社にはない技術を持った企業様の協業し、新たな技術開発を行うなどの取り組みも行っています。
挑戦の許される環境
「許される」という表現に込められた意味ですが、上述の2点について、「わかってはいても状況が許してくれない」という同業他社さんのお話もよく耳にします。
河辺商会は、2006年の海外進出という布石が活き、ある程度の安定を保ちながら、国内においてはある程度開拓的な活動を行うことができます。
「必要なアクティビティがわかっていて、それを実行できる環境がある」
このことが、河辺商会の大きな強みであると考えています。
既存技術は「どれくらいの強み」なのか
こうした背景を鑑みて、第二回の方針共有会で議題としたのは、「自社の技術は、国内においてどれくらいの位置にいるのか」ということです。
技術開発室、営業技術部が主体となったメンバーで、同様の技術を持った企業さんを洗い出し、それらと比較しながら、自社の技術にランク付を行いました。
比較の基準となる技術は、メタリック(塗装レス成形)、ウエルドレス成形、多色(3色)成形、超薄肉成形の4つです。
メンバーでそれぞれリサーチを行い、各技術(もしくは近い技術)について優れた3〜5社をピックアップした上で、その技術力を自社と比べてみました。
暫定のランキング
技術によっては、誰もが知っている大手玩具メーカーさんなども名を連ねる中、背景や技術の詳細をひとつずつ比べ、自社の技術力におおよそのランク付を行なっていきます。
河辺商会のひとつの課題として、「自社の技術力の高さについて、社内で正確に把握ができていない」というものがあります。
2019年には「大阪ものづくり優良企業賞」の技術部門賞をいただくなど、外部からの評価によってをそれを確認する機会はありましたが、こうして他社さんと比べる中で、その強みを確認するということはもっともっと必要であると感じました。
そうして今の技術についてランク付を行なった暫定の結果が以下になります。
2色メタリックだけであれば1位。単色メタリックだと4位。
多色の場合だと、やはり某大手玩具メーカーさんが1位という結果になりましたが、それでも「美しさ(外観)の部分では負けていないのではないか」という意見も。
薄肉は、本来は金型メーカーの技術になります。
(開発当時は 河辺商会がその技術を金型メーカーに指示していました)
ウエルドレスについては、ヒート&クール装置があればどこの成型メーカーでも出来ますが、ヒート&クール装置は高価であり、部品単価に影響します。
ヒート&クール装置を使うことなくウエルドを薄くする技術という観点で行けば、河辺商会は首位に立てるだろうという結論に至りました。
もちろん、4〜5名のリサーチの結果には過ぎませんが、上述の通り、自社の技術の中には、同じことをできる企業さんが国内には見当たらないものもいくつかありました。
(もし「こんな企業さんがあります」というご意見があれば、共有いただけると幸いです)
常に自社と市場の位置関係を確認する
今回、自社の強み、特に技術の部分での優位性を確認していくワークを行いましたが、どんなに優れた技術でも、価値に変えていくことなくしては人の役に立つことはできません。
ワークの中で見えてきた、「他社には真似のできない技術」については、もっともっと「どんな価値に変えられるか」について議論を重ねていく必要があります。
最近では、河辺商会の技術を見た上で、「弊社のこの部分に活用できる」と逆にご提案をいただくことも多くなってきました。
技術を価値に変えていく上で、こうした外部からの意見も参考にしつつ、常にその活用方法を模索していきます。
また、今回つけたランキングは、あくまで社内ワークの一環になります。
「本当に他にいないのか」などを含め、業界のリサーチは今後も継続して行いつつ、常に自社と市場の関係性に目を凝らしながら研鑽を重ねていきたいと思います。